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02. 薪ストーブ導入までのあれこれ

 冬の防寒対策として挙げられるのは、一般にエアコン、灯油ストーブ、床暖房などでしょうか。

 2002年に中古住宅を購入した我が家も、初めに考えたのはそうしたものでした。
 ですが、リビングが広く、しかも吹きぬけという、家が暖を取るのに不向きな構造だった事と、まだ小さい子供 (当時1歳) がいるので、あまり室内の空気を汚したくないという事などから、漠然と 「薪ストーブはどうだろう」 と考えるようになっていきました。

 住宅情報誌 (愛読書は 「チルチンびと」 です) などで、近頃薪ストーブが見なおされている事は知っていました。
 私が子供の頃、実家でも使っていた時期がありましたから、とっつきやすかったこともあって、色々と調べ、薪ストーブを本格的に導入する事を検討していったわけです。

 薪ストーブのメーカーを何件か情報誌やネットで調べ、資料請求をし、あるメーカーに思いきって相談してみました。料金の見積りはもちろんですが、何よりも大切なのは我が家のこの大きな空間が薪ストーブで充分暖まるのかという事が心配だったのです。

 ですが、そちらの懸念はメーカーの方 (いかにも山男然としたおじさんでした) に我が家に来ていただき、お話を伺って解消されました。
 大き目の薪ストーブでなければ無理かと思っていたのですが (大型の薪ストーブはかなり高価なんです) 、それほど大きくなくても充分でしょうと言う見解が得られたのです。
 設置場所はここが好いとか、煙突はこんな風に取り付けてとか、いろいろな詳しい話を聞くうち、心は段々と傾いて行きました。

 それでもまだ踏ん切りがつかなかったのは、なんといっても「薪」をどうするかという最大の問題があったからです。

 薪ストーブを購入しても薪が無ければ家は暖まりません。

 薪を集める事が出来るか、仮に集まったとして、このぐうたらな私に薪割りなんか出来るのか、だれも明確な答えを出せる人はいませんでした。

 薪についてもメーカーさんに聞いてみました。すると、そのメーカーでは薪の販売もしている、との事でした。
 いざとなったら買えばいいんだ、そう思うと少し気が楽になりました。

 とはいえ、まだ他にも不安はありました。
 スイッチ1つで暖まるエアコンや灯油ストーブには無い不安が薪ストーブにはいっぱいあります。
 その中のひとつに、私が留守のとき、妻がストーブをつけられるか、ということもありました。
 話し合った結果妻は結構薪ストーブについては乗り気でもあり、着火はもちろん薪割りもすると言ってくれました。家族の協力無くては薪ストーブで過ごす事は出来ないでしょう。

 色々考えました。
 色々迷いました。

 ですが結局のところ、購入に踏み込ませた一番の事柄は、おそらく 「炎の魅力」 だったのではないかと思います。

 部屋の中でぼんやりと佇んで、ここに薪ストーブがあったらどうだろうかと想像してみました。その内、小さい頃キャンプに行ったことを思い出しました。
 父親が岩を積み上げて、集めた薪に火をつけ、小さな火が大きな炎になっていく。その様子や、焚き火を囲んでじっと炎を見ていた事などを思い出しました。

 ゆらゆらと立ち上る炎の色が微妙に変化し、バチバチとはぜる音が耳をくすぐり、肌を焦がすような熱気。
 何故か思い出しただけで妙にノスタルジックにさせてくれる、炎。

 薪ストーブがあれば、毎日焚き火が出来るではありませんか。

 その思いは甘美な魅力でした。

 こうして我が家では薪ストーブが持ち込まれ、屋根には穴が開けられ、煙突がにょっきり生えることになりました。

 冬には揺らめく炎の煌きに酔いしれて、体と心を暖めているのです。

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