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薪ストーブについて

Woodburning stove

 03.薪ストーブの仕組み その1  〜空気の流れ〜

 ストーブに新しい薪を足すには上面のトップローディングを開けて行いますが、この時何故煙や炎が外に飛び出してこないのでしょう。
 その秘密は空気の流れにあります。
 イントレビット II の本体は鋳物で出来ていますが、これは単純なる "箱" ではなく、部分的に二重構造になっていて、空気の流れを上手くコントロールしているのです。
 では、図を使って詳しく説明していきます。

 

 空気はまず、ストーブの背面下側にある空気取り入れ口 ( 1 ) から入り、ストーブの底 ( 炉室の底ではなく ) を灰受け皿を回り込むように左右に流れます。
 続いて、ストーブの前面と側面の角に当たる部分を上方へ流れます ( 2 ) 。
 扉口の上部のスリット状になっている部分 ( マニーフォールドといいます ) から、空気は下方に吹き出します ( 3 ) 。図では判りやすくするために炉室の中央に矢印を引いていますが、実際は扉のガラス面に沿ってカーテン状に空気は流れます。
 この空気によって薪が燃え上がります。
 バイパスダンパーが閉じていれば空気はキャタリティックコンバスター ( 触媒 ) 側へ ( 4 ) 、バイパスダンパーが開いていれば ( 5 ) を通り煙突へと流れていきます ( 6 ) 。
 このような空気の流れがあるため、トップローディングをあけても煙や炎が出てこないのです ( もちろん、空気取り入れ口やバイパスダンパーが閉じているときなど、この空気の流れが遮られている場合は別です ) 。


 ストーブ内の空気の流れを説明しましたが、そもそも何故空気が流れるのでしょう。ストーブにファンやブロアーがとりつけられていて、空気を強制的に吸入しているわけではありません。
 実は、炉内で薪を燃やすことで初めて空気の流れが生じるのです。
 空気は暖かい方から冷たい方へ、下方から上方へと流れます。
 炉内に火が入り、暖められた空気は煙突を通って上へと昇り、これが上昇気流を生みます。空気が上へと逃れるため、取り入れ口から新しい空気が吸い込まれることになるのです。

 火をつけることによって空気の流れが出来、空気の流れによって火が燃える。
 なんともよく出来たシステムですね。


 次にマニフォールドの部分について見てみましょう。
 空気は広い場所から狭い場所を抜ける時に速度が上がります。
 例えば、人間の口を考えてみてください。大きく口を開けて息を吐くより、唇をすぼめたほうが空気が勢いよく出ます。
 これと同じ原理で、ストーブの二重構造の内部の空気の通り道から、扉口上部の狭いスリットを抜け出すときに、空気は勢いよく下方へ吹き付けられるのです。
 これは上の図でいうと、( 3 ) の流れを生み出します。
 もし空気の吹き出し口が狭くなっていなければ、空気は扉口上部からまっすぐにバイパスダンパーやキャタリティックコンバスターの方 ( ( 4 ) や ( 5 ) ) へと流れていくでしょう。
 もう少し詳しく見てみると、マニフォールドの向きは扉口から真下にではなく、やや外側、つまり扉のガラス面に向いています。
 そのため、空気はガラス板を滑るように流れるため、ガラスに灰や煤がつきにくくなる、エアーカーテンの役目を果たすのです。


 炉室の底での空気の流れはどうでしょう。
 バイパスダンパーを閉じることによって、空気は炉室の底を流れるようになりますが、これによって炉内の薪が下から上へ一気に燃え上がることなく、下の薪が燃え尽きてから上の薪が降りてきて燃えるというサイクルになり、長時間燃焼することが出来ます。
 また、トップローディングから追加した薪はすぐには燃えず、まず乾燥し、それから燃焼へと移行するので燃焼効率が良くなります。


 どうでしょう、ストーブ内の空気の流れとそれによって得られる効果を説明してきましたが、実によく考えらた構造だと思いませんか。
 イントレビット II はバーモントキャスティングス社の薪ストーブの3つのタイプの内の、「キャタリティックコンバスター 水平燃焼システム」 というものに当たります。このタイプの空気の流れの効果をまとめると、

     1. 水平燃焼によって燃焼効率がいい
     2. フロントガラスが汚れにくく、美しい炎が鑑賞できる
     3. トップローディングから薪を追加するとき、けむくない

 となります。
 逆に言うと、空気の流れが何らかの原因 ( 炉室の底で灰がたまりすぎていたり、煙突に煤がたまり煙道を塞いでいる、など ) で妨げられると、燃焼効率が悪くなったり、トップローディングから薪を追加する際煙が逆流したりします。
 空気の流れを理解していれば、薪ストーブの具合がよくないときに、原因を発見しやすくなるでしょう。

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